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フォトンベルトを抜けた先

自作小説をぼちぼちと。

与太話

Short Short

「アダルトビデオでさ、下半身だけ見えないようにして上半身は接客とかするやつあるじゃん?」

 
夜も更けてきたとはいえ公衆の面前で、友人は無邪気にもそんな話を切り出す。カウンターの下に男優が隠れてるやつね、ふむ。
 
「で、女優さんが悶えながらも応対してるのに、客は気付いてない。大丈夫?とか気分悪いの?とかもない。どうかと思うよ、俺は。」
 
そもそもその客も役で、気づかないふりをしているだけだと思うが。
 
「なかには自分のどうでもいい話に対する女優さんのリアクションに満足してるやつまでいる。」
 
死ぬほどどうでもいい。
 
「要はさ、本質を見ていないんだよ。自分に見えていることが全てだと思っていて、相手がどういう状況なのか考えもしない。それはダサくないか?俺はそんなの嫌だね。」
 
あれ。AVの話じゃなかったのか。何か語りだしたぞ。
 
「もっと物事の本質を見極めるべきなんだよ。じゃなきゃ男じゃない。」
 
面倒なので適当に頷く。
 
「それにしてもあの店員さん可愛いよなあ。あんな嫁さん欲しいわ。」
 
はあ。話が飛び過ぎだ。ついていけん。大きくため息をつこうとして、ああ、もう無理。
瞼が重くて目が開かない。